今月の
耳をすませば


『意味不明でありがたいのか──お経は日本語で』
(著者:戸次公正/祥伝社新書)



 私には密かな願いがあります。それは「私が住職在職中にお経を現代語(聞いて分かる言葉)で勤めるようにしたい」ということです。密かと言いながら、こういったことを十数年前から口にしておりますから「口だけじゃないか、早く実行しろ」と言われる方も多いと思いますが、なかなか具体的になりません。
 下手ながらお勤めを一生懸命するということ、丁寧に勤めることを心掛けています。しかし、お経は漢文という外国語で読まれますから、意味が分かりません。お経の言葉には、その言葉の奥に深い真意がありますから、言葉の表面的な意味が分かっても、それでは不十分です。しかし言葉が分からないということは、言葉の真意に触れる以前の問題。真意に触れる窓口を閉ざしていることになっていないでしょうか。
 戸次公正先生は真宗大谷派の僧侶です。以前から現代語訳したお経を法事で勤めることを実践されています。戸次先生の歩みと具体的な取り組みの内容が本になりました。ぜひ読んでいただきたいと思います。
 もし、お経を漢文で棒読みしている法事の在り方に疑問をお持ちの方があれば、声をかけてください。具体的にどうすればよいのか、一緒に考えましょう。


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