葬儀式

 昨今、葬儀式を告別式と呼ぶようになりました。
 「葬」という字は〔くさかんむり〕〔死体〕〔廾〕に分けられます。これは「多くの人が関わって草むらに死体をおさめる」という意味があります。「死」という字は〔歹〕〔ヒ〕。〔歹〕はバラバラの骨、〔ヒ〕は人間が跪いている姿。「死」は、骨に人間が跪き合掌するという意味があるそうです。この場合、骨はただの物質ではありません。人間が生涯を生ききった完全燃焼の姿が骨なのです。つまり、「死」には人の生涯そのものに手を合わせるという意味があるのです。
 「葬式」とは、故人に縁のあった者が多く集まり、その人の生涯に手を合わせるという儀式なのです。「告別式」が、ただ単に死んでいった人に別れを告げる儀式なのに対し、「葬式」は故人の生涯を尊ぶという意味があります。
 さて、我々はどちらの儀式を勤めるのでしょうか。また、どちらの儀式を勤めたいのでしょうか。






葬儀の流れ

 仏事で葬儀式を勤める場合、臨終御に「枕経」というお勤めをします。「枕経」は亡き人と遺った者が共に勤める最後の勤行です。亡き人と共に過ごしてきた時間を思い出し、亡き人と共に拝んできた御本尊の前で、亡き人と共に最後のお勤めをするわけです。
 臨終の次ぎの日に葬儀ということはめったにありません。1日か2日、時間をおきます。葬儀式の前日まで夜には「通夜」のお勤めを行います。本当は夜通し故人を憶念するのが通夜ですが、最近は時間を決めて1時間ほどの通夜勤行を行うことが主流です。
 葬儀式は本来は「出棺勤行」と「葬場勤行」に別れますが、最近はこれを一つにして勤めます。
 葬儀式が終わり出棺。そして荼毘(だび)といって火葬をします。
 火葬が終わると、「還骨勤行」といって故人が骨になって家に還られたことをご縁にして仏事を勤めます。
 そして中陰(ちゅういん)のお勤めをします。亡くなった日を1日目と数え7日目が中陰初七日。その前の日の夜に勤めるお勤めを中陰逮夜の勤めといいます。初七日から七七日(四十九日)まで七回の中陰、そしての初めての月忌のお勤めをします。最近は初七日を還骨勤行と一緒に勤めることも増えてきました。
 命日から百日目に「百箇日勤行」をします。




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